長い間サラリーマンをしてましたが、私は昔から「いつか脱サラしたい」という願望も持っていました。とは言え、学生時代から付き合っていた彼女と結婚をして家も購入してしまったので「もう脱サラする機会はないなぁ」と諦めていました。
幸運にも居抜き物件と出会う!
しかしある時、駅前のラーメン屋が潰れているのに気が付きました。そのラーメン屋の店舗立地はかなり良かったんですが、いかんせん接客態度が横柄な割に味がイマイチで有名な店でした。
たまたま知り合いが納入業者をしていたので潰れた理由を知ることができました。どうやら潰れた理由は店主とバイトの態度が嫌われてリピーター客がつかなかったことと、もともと店主は裕福な家の出でらしく堪え性がなかったとか。商売が上手くいかないのが面白くなくてあっけなく店をたたんだようです。
それを聞いて「場所が悪いわけじゃないんだ」と思いましたね。
居抜き物件で1000万円ならもし自分が事業に失敗しても転売できると判断!
居抜き物件として1000万ほどで売られていると立て札が立っていました。これはチャンスだと思いました!これで昔からの夢だった脱サラで成功することが少ないリスクでできると思ったからです。
しかし、同じラーメン屋では芸がないので、思い切って自分が好きな焼き鳥屋ならどうかと考えました。単品でいけばコストも抑えられるかもしれないし、ラーメンと違って比較的簡単ではないかとも思ったのです。
今となれば、あまりにも素人考えで甘すぎたと思います。唯一正しかったのはラーメンよりは作業が簡単だということで、それくらいかもしれません。ちなみに焼き鳥はあらかじめ下処理されて串も通ったものを仕入れて、自分で焼くだけという簡単なものでした。
そうだ!家を売って物件の支払と当面の事業資金にすればいいんだ
居抜き物件なのでかなりマシですが、当座の生活費や仕入れ代金などさまざまな金がさらに必要なのは言うまでもありません。退職金を足してもまだ足りる見込みがありませんでした。
そこで考えたのが家を売る方法で2,000万ぐらいで家が売れれば、店を買って企業資金を賄うことは可能だし、賃貸物件に引っ越しをしてからの生活費もしばらくは悩まなくても良さそうだと思ったんです。
起業が成功すれば家なんて後からいくらでも買い直せる!
起業して成功してしまえば、また家を買うことぐらいは簡単なはすです。
すべて自己資金で始めれば損益の分岐ラインも低く、失敗しにくいはずですし元ラーメン屋の二階は家になっているので最悪は店を閉めてもそこに住んで別の仕事をすることもできると判断しました。
家族の反対が心配でしたが、子供は独立し、妻と二人暮らしで、何とかなるのではないかとダメ元で話してみたところ、妻は驚いたことにあっさり賛成してくれました。
そして家を売るという話になりましたが「家を売れるまでは会社は辞めるな」という条件つきでのOKでした。
居抜き物件を誰かに買われるんじゃないかと思い焦りましたね~
駅前のいい物件は急がないと売れてしまうと思い気が気ではありませんでした。そこで知り合いの不動産屋に頼んで家をスピード重視で売りに出してもらいました。
その不動産屋に言われたのは、「もし1ヶ月経っても売れる見込みがなければ買い取り業者に声をかけた方が確実に売れるからオススメ」という提案でした。それから3週間ほどの間に、内覧が1組あっただけで流石に売れる見込みがなかったために、買い取り業者を紹介していもらいそこに売ることにしました。
買い取り業者に売ったので手数料の75万円の出費は不要に
ただ、最初に不動産屋から提示された売値は2500万円でしたが買い取り業者が提示してきた金額は2200万円でした。その代わり不動産屋と違って売却手数料は0円だったので、75万円払うつもりだって手数料が無くなり、普通に売った時と比較して225万円安く売れたという感じです。
自分としては最初に提示された2500万円という売値が頭に焼き付いていたので喜べませんでしたが、これで家のローンの残りと居抜き物件の支払をしてもまだ手元には貯金を合わせれば700万円は残ることになりました。
いよいよ来月にはお店がオープンできます
家を売ってまで資金を作った私の焼き鳥店ですが、友人などを招いての練習でも評判が良くて成功の太鼓判をもらえました。焼き鳥店は利益率も高いのでよほどの事がなければ赤字になることはありませんし、物件は賃貸ではないので家賃もかかりません。
こんなチャンスを手に入れることができたのは、すぐに家を買い取りしてくれた業者さんのおかげだと思っています。時間をかけてでも高く売りたい場合には不動産屋さんを使い、急いでる人は買い取り業者を使うというのが基本的な選び方だと感じました。
人生でここぞと言う場面では勝負に出なきゃだめですね
人生は一度キリです、やるかやらないか、それだけです。やっちゃう人とやらない人、あなたは人生が終わりを迎える時にどっちの方が笑えると思いますか?家は後からいくらでも買えます。でも逃したチャンスの代わりのチャンスなんてやって来ません。
最後に、私が起業する時に知り合った商売歴の長い大成功を納めている先輩に言われた言葉で締めくくらせていただきますね。
「反対する家族がいるのは当たり前のこと。それを説得できるくらいの人でないと商売はやっていけない。」