今回は不動産会社に勤務している方から伺えた家の売却時に嫌われる物件についてのお話です。
ちなみに私の年齢は35歳で、不動産業界での勤務年数は10年6ヶ月でその間にいろんな裏側を見ることができました。
これが不動産屋に嫌われる物件です
まず、不動産屋に嫌われる物件とは、買い手が付きにくいような住宅ですとか、抵当権がついている住宅(まだ借金が完済されていない物件)、買い手のつきにくい立地にある住宅になります。
買い手が付きにくい住宅の典型は、店舗物件、店舗兼用住宅、間取りがおかしい、傾きがひどい、古すぎて躯体が腐っている、シロアリ被害がひどすぎる、ペットの多頭飼いが原因の染み付いた悪臭がある、自殺物件、事故物件などです。
しかし、店舗物件の類であれば、店舗物件で家賃を払い続けることに抵抗のある人達が予想以上の高値で購入してくれる可能性もあるので、できるだけ複数の不動産屋さんに声をかけて「売値の見積り」をもらい見比べることが重要になります。
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抵当権がついている住宅の売却は
抵当権がついている住宅の売却をお考えのお客様は「この住宅を売って、その売れたお金で完済して抵当権を外す算段です」と言われることが多いと思います。しかし、現実には売却査定額は、借金を完済するには足りないケースが多いんです。
なので、せっぱ詰まって悪態をついたり無謀な値段交渉をおこなったりと、ある意味嫌われる売り手さんになりそうな要素をはらんではいます。
買い手が付きにくい立地にある住宅に関しては、不動産業者である私どもの腕の見せどころなので、お客様の判断で「うちはヘンピなところだから、きっと売れないわよ…」なんてすぐには諦めずにあちこちの業者に声をかけ続けて短くても3ヶ月は様子を見てからご相談したらいいと思います。
不人気の場所にある家や土地の場合には
一般的には、さびれた商店街の住宅、過疎化の進んだ地域の古い住宅、すたれてしまったリゾート地の別荘、商業地域特有の隣宅とほぼくっついている住宅、最近は少ないでしょうが長屋の住宅などの査定は難しく高値も付きにくいです。
しかし、そういった買い手が付きにくい住宅こそを安く買って(つまりやはり高額で売却はむずかしいです)、ニーズのあるところで高く売る見込みのある転売業者さんにしてみればある意味ホームラン物件にもなるわけです。
ド田舎になる物件を、ちょうど「都会在住で田舎暮らしにあこがれて移り住みたいとお考えの人」へ紹介する人脈が太い業者さんもありますし、商業地域にありがちな家と家がくっつきあっているような狭っ苦しい物件も見事にさばける業者さんもいます。
依頼する業者の得意な物件かどうかで売却の成功率が変わる
その業者さんの得意分野であれば商談がまとまるし、また別の業者さんのところでは門前払いになる可能性もあります。
以上のことを売主さんにご理解いただけると、いかに沢山の不動産屋に声をかけることが重要かご理解いただきやすいと思います。
私の勤務先は事件事故のあった物件に関しても売却依頼を受けてます
売ろうとしている家が事故物件の場合に重要となるのは、売り手が事故などについて正直にお話をしてくださることと、それに私ども業者がその事実を次の購入者さんにきちんとお伝えしして、納得したうえで買っていただくことです。
それさえできれば事件だろうが事故だろうが何も問題はありません。また、一昔前までなら事故などは本当に嫌われていましたが、今はあえて安く売りだされるそうした家を狙っている人もいるくらいです。
不動産屋に売り主自身が嫌われてしまうケースもあります
不動産屋としては、売り物の話があってこその儲けですので「売りたい」というご連絡をいただけることはとてもありがたいものです。ただし、中には物件ばかりか売主さんそのものが嫌われるという事態も存在しています。
売主さんの人間性と言いますか、そこに問題がある場合には必ずと言って良いほど素敵な家なのに売れない傾向があります。
売主さんがこちらの査定額を提示する前から、「どうせ安くしか売れないのに手数料だけはしっかりとるんでしょ」と言ってみたり、査定額を提示すれば、「こんなに安いの?あんたたち家の価値分かってないじゃない?」という発言などはよくあるものです。
でもそれじゃそれではまるで次に買う人に大損をさせろと言っているようなものですよね。そういう発言は絶対にするべきじゃありませ!依頼した不動産屋が真面目に売ってくれなくなりまよ。
そもそも、売値を決める時には不動産の価値を計算するための基本的な計算式に当てはめるので単なる直感で決めてるわけじゃありません。それに建物の場合には価値が年々激しく下がることになっているので売却金額は思ったほど高くならないのが普通です。
文句の一つや二つ言いたくなるのもお気持ちは理解できますが、不動産屋さんからすれば「うちに言われても・・・」と言った感じで困るだけです。