念願のマイホームを購入してから、わずか7年でマイホームを手放さなければいけなくなった悲しいお話です。
30歳で結婚して直ぐに長男が誕生し、ちょっと奮発して教育環境の良い閑静な住宅街に4LDK庭付き駐車スペース3台可能の一戸建てを購入しました。
大手に勤務していたので住宅ローンは余裕だと思っていました
金額は約5000万円、35年ローンで銀行より借入していました。家族は自宅購入時には3人でしたが、購入翌年、2人目の長女が誕生し4人家族で頑張って行こうと、幸せいっぱいのスタートを切り、仕事もバリバリしようと30代前半の事でした。
月々の返済も、無理をしない程度で済ませるために、ボーナス時に25万円程の支払にはなりましたが、大手企業の営業担当で当時業績もそこそこ良くて自身も仕事の成果に自信があったので、まさかこの先にローンの返済で頭を悩ませるような事態が待ち受けているとは、当時は全く思いもしませんでした。
リーマン・ショックの影響は私の年収にも大きく影響が・・・
自宅を購入して5年ほど経過した頃、世界にも多大な影響を及ぼした事態がおこり私の会社にも影響が出始めました。何とか1年は自身の力で乗り越えられそうだったのですが、2年目には業績も悪化し、恐れていた給与や賞与の減額、人員整理のリストラの波がやって来ました。
賞与の減額の幅は大きく、ボーナス払いにしていた支払いが出来なくなるので、月々の返済額をアップしなければならなくなり、毎月貯金を崩し数か月しのぎました。
ですが、ローン分の負担は予想以上に大きくて、恥ずかしながら両親に頼み込み、当座の生活費を工面してもらいましたが、ある時、口座の残高不足でローンの引き落としが出来なくなってしまったのです。
引き落としできないのは知ってても口座に補てんするお金がなくて・・・
引き落としが不可能になっていたのも気が付いてましたが、口座に補てんするお金もなくそのまま放置したんですが翌日には自宅に銀行から連絡が入りました。内容は「次回も決裁が出来ない場合は利息の優遇措置も無くなるし、上司の判断次第では残りのローンを一括返済となるのでご注意ください」という恐ろしい話でした。
ショックで頭の中が真っ白になりましたが、それでも打つ手はないのでさらにその後も何もできずに過ごしていると、今度は会社の方にも電話がかかるようにもなりました。この時は、妻にも内緒でプロミスを利用してキャッシングで借りたお金でローン返済まかないましたが、翌月にはプロミスへの返済とローン返済のダブルの出費となりいよいよどうにもならなくなりました・・・
住宅ローン滞納を1ヶ月もしてしまうと・・・
ついにローン滞納を1ヶ月ほど続けてしまいました。すると今までとは違って仕事中に毎日2~3度は電話がかかるようになり、初めはごまかして居留守を使ったりもしました。
でもあまりにも何度も電話がかかってくるのでついには別室に電話を回してもらい、銀行の担当さんに「どうにか返済を待ってほしい」と頼みましたが、待ってはもらえませんでした・・・。
売られるよりも売った方が得策!というアドバイスをされました
「このままだと差し押さえになりますよ、売却ということもお考えになってはいかがでしょうか?」というアドバイスをされました。
話を聞くと、競売にかけられて処分されてしまうと、相場の売値よりも遥かに安く売られるリスクがあり、それでローンの返済ができない場合には当然に借金も残るという話でした。
そこで、すぐに自分で売却をしてしまえば好きな値段で売ることができるので相場価格で売ることもでき、それなら競売で手に入るお金よりも大きな金額が手に入りやすいので、ローンが一括返済しやすくなるという提案を受け入れることにしたんです。
このまま督促が続けば会社にいられなくなる・・・
もちろん家は売りたくないですが、このままだと職場に連日の電話攻撃がやってきますし、他の社員の目もかなり痛いため、変な噂でも広がれば左遷させられるか、下手をすれば会社を辞めなきゃいけないと判断したからです。
妻も家よりは仕事(収入)を優先すべきだと理解をしてくれ自宅を売却する事を決断しました。
まずは賃貸物件に引っ越しをして空室状態にした家を売りに出すことに
ローン利用先の銀行員さんの紹介で地元の不動産屋さんに相談をしたんですが、最初に言われたのは「家を空室にした方が売れやすい」という話でした。確か内覧がしやすいということだったと思います。
売却に前向きに動いたことで銀行さんも少し様子を見てくれるという話になり、1ヶ月ほど内覧の反応を見ることにしましたが、結局はすぐには売れそうにありませんでした。そこで、今度は不動産屋さんの紹介で”買い取り業者”に家を売ることにしました。
買い取り業者だと換金は早いけど金額が安くなるんですね
買い取り業者だと市場で売られる値段よりかは安くなると言われましたが、やむを得ない状況だったのですぐに3社に売却査定をしてもらい、最高値の相手に売却をしました。ちなみに、高値で売れやすい順番は「不動産屋>買い取り業者>競売」という感じだそうです。
結局、ローンの残高が600万円ほど残りましたが、これはローンの組み換えをしてもらい、住宅ローンはひとまず完済したカタチにして、新しく600万円の融資を引いたカタチで納めてもらいました。
家を売るとき、ローンが残っていると一括返済しなきゃいけないらしいんですが、こうして同じ銀行で組み換えをすれば家を売ることはできることを初めて知りました。
子供の学区を変えることなく無事に新しい生活を送る環境が整い銀行の担当さんには感謝です
子供の入学手続きもしていたので、地域は変えずに不動屋さんに転居先の住居を探してもらいました。
すると自宅が見えるところにコーポがあり、子供たちはすごく嫌がってましたが学区を変わることなく友達とはそのまま遊べるということで今ではすっかり平気でいるようです。
自宅には、まだ28年のローンがありましたが、住み続ける事は絶対に不可能でした。順調だった仕事もこんなに不況になるとも思わず、昭和バブルを経験していない私にとっては「これがバブル崩壊か」と物凄い体験をさせてもらいました。
人生何事も勉強ですね・・・
今の住まいは新築で住んでた家に比べると随分と狭い間取りで暮らしていますが、最近は景気が回復してきてボーナスも少しづつ戻ってきたので、数年無いには少し広い所へ転居予定です。もちろん、ローンは組まずに少し間取りの広い賃貸マンションに引っ越しをする予定です。