家を売った体験談

家を買って2ヶ月後に裏庭に熊出没!子供と妻に泣いて頼まれすぐに家を売りました

これは私が都市部の住まいから山間部に近い中古の一戸建て住宅へと住み替えをして、妻と幼い子どもの3人での暮らしを始めた頃の恐ろしい体験談です。

冬から住み始めて2年が経過した春の頃、建設業の仕事現場からそろそろ帰宅しようとする午後5時頃に、いつもは滅多なことではかかってこない妻から電話がありました。

庭に熊が出たという妻からの電話

「庭に熊が出たの!早く帰ってきて」と慌てた様子でしたので仕事を早めに切り上げさせてもらい急いで自宅に帰ると、玄関の妻は接待ゴルフ用のクラブを握りしめ、子供は妻のうしろで怖がって泣いているといった状況でした。

近年はこの農村部も開発が進んだので、近辺に熊は出なくなった、そう不動産屋から聞いていたので、熊が出たと聞いて寝耳に水といった面持ちでした。妻の話によれば、出た熊はかなり大きくて人間の大人の背丈ほどもあったということでした。

もしガラス戸に近づいて来たら、分厚いガラスも簡単に割られてしまうんじゃなかと気が気じゃない状態になって、自宅1階では雨戸を閉ざす生活になりました。

一度熊が出た後は何度も防災無線で熊出没を知らせる放送が!

最初に熊が出て以降、熊の出没を知らせる町の防災放送が、週に何度か出る状況になっていました。

熊が出るということで、山に近い子供たちは、外で遊ぶことを控えざるをえなくなりました。近隣では先生や親が同伴で、子供の集団登下校を見守るようになったし、早朝に町を散歩する老人の姿もすっかり見られなくなりました。

役場では猟友会が熊を退治に行ったという話もありましたが、その後も時折熊が出没する状況は変わりませんでした。

熊におびえ、1階の雨戸をほとんどあけない生活が1ヶ月と続いた頃、妻と子供は泣いてもうこの家にはいたくないと言い始めてしまいました。熊が出るたびに自宅にこもりがちになって、もしかすると2人とも精神的に病んでしまうかもしれない、そう考え始めました。

わずか2年しか住んでいない家を売ることにためらいはありませんでした

家よりも命が大事!だから2年前に買った家を売却し元いた熊が出ることが絶対にない海に近い都市部のほうに戻ることにしたのです。

もとも1800万円で買った築10年の家でしたが、結局地元の不動産屋に頼むと、売値は1,480万円となってしまいました。

不動産屋や近所の住人からは、せっかく買った家だし、しかも熊は慣れるからと暗に町に残るよう促されましたが、妻と子供の疲弊した顔はこれ以上見たくはありませんでした。
新たなマンションに引っ越した時点で、熊の出る家のローン返済は完済して終わりましたが命のキケンが無くなったことで気が楽になり疲れが一気に出てしまいました。

でも妻と子供の表情が明るくなって、外出も自由にできるようになったことを考えると、仮にローンが残ったとしてもきっと同じように家を売ってマンション暮らしに切り替えたと思いますね。

もし引っ越ししてなかったら、今頃はまだ熊に悩まされて、もしかすると妻は実家に帰ってしまったかもしれません。熊の出る家は、マンションに引っ越してから2年後に買い手がついて、無事に収入を得ることができました。

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