家を売った体験談

旗竿地の竿に隣接するご近所さんとの関係が微妙に・・・旗竿地から真四角な分譲地に買い替えました

私の実家はもともと旗竿地と呼ばれる非常に不便な形の土地にある家でした。ちなみに、両親はすでに亡くなっており、私は35歳になるまで親が残してくれた築41年の古い家に一人暮らしをしていました。

 

36歳で結婚をした際に、その家を直して済み続けるか、それとも建て替えるかという話になりました。

(旗竿地売却の過去記事もどうぞ)→ 旗竿地の家や土地を高く売るための方法 

旗竿地にこの先も住むにはご近所が塀を作る不安がつきまとう

不安に感じたことが2つありまして、1つは東日本大震災以降の余震もたまに大きなものがあり、万がいちに津波でも来たときにはあまり海抜の高くない土地だから浸水の不安があるということでした。

 

2つ目はさらに大きな問題で、家のそばを通る県道から自宅に入る際の旗竿地の竿の部分の横幅が3メートルという狭さで、今後、フェンスなどができれば困るということでした。

 

以前は両親が居た頃には竿部分の隣接する隣近所との関係も良好でしたが、両親が亡くなってからはこれといった付き合いもなくなってしまい近所の方々も我が家に対しての配慮が徐々になくなってきていました。

家の出入りにプレッシャーを感じる植木と鉢植えたち

例えば以前であれば、我が家に車で戻ってくる際に横幅3メートルの竿部分を通行するにも左右に植え込みやフェンスもなく非常に楽に車が入ることができました。

 

ただ、ここ数年はフェンスこそありませんが、植木鉢を置いたりオリーブの木を植えられたりと車ので入りに一切気遣いのない状況になりつつあったんです。

 

もちろん、横幅3メートルを超えた部分は他人様の土地なのでこちらがあれこれ文句をつける筋合いはありませんが、私はこの土地を旗竿地だと承知の上で最近購入してやってきたわけじゃありませんし、その辺の配慮が薄れていくことを見るのはストレスでした。

私の妻も車の運転が上手な方ではありませんし、乗っていた車もミニバンだったので、オリーブの木や植木鉢の存在にとてもプレッシャーを感じ、慎重に運転をするようになり疲れを感じていました。

 

でも、ここでもしも建て替えもしくはリフォームをして住み続けるということになれば、この先、数十年間はこの3メートルを超えた部分の微妙な関係におびえることになんです。

フェンス等をつくる意思があるか確認がてら近所に挨拶にまわりました

実は私の周囲に住んでいる人たちの土地は、もともとはうちのご先祖様が持っていた土地を売却した際に、他所から購入して移り住んできた人と言ういきさつもあります。

 

もしも私が最後に旗竿地を買ってやってきたのであれば、不便さは覚悟の上で来たことになるので、あれこれ言える立場ではありませんが、我が家が最も古い住人ということになれば気持ちとしては少し配慮してもらってもいいのでは・・・と思っていました。

 

私と妻は結婚したという挨拶も兼ね旗竿地の竿部分に隣接する近所の家に挨拶に伺い、その際に「もしかすると家を建てかえるかもしれない」「もしフェンス等を作る可能性があれば前もって一声かけていただきたい」と希望を伝えて回りました。

ところが、その内の2件が「土地をどう使おうがうちの勝手だ、フェンスを作ろうがどうしようがあなたに伝える必要も許可をもらう必要もない」と喧嘩腰の発言をされたのです。

すっかり頭に来て「こんな近所とはやってられない」と思うように

こうなると、さすがにもうそこに家を建てようなどという気はなくなりました。ただ、ここで心配だったのは土地を売って他所に家を購入するためには、その問題の旗竿地が、そこそこの値段で売れなければ予算的に厳しいということでした。

そこで私と妻は早速近所の不動産屋に伺い、実際に家土地を見に来てもらい「いくらほどで売れるか?」を判断してもらうことにしました。

 

1件目の不動産屋は私の家の周辺事情にも熟知していた方で、話をしただけで「おそらくまともな値段では売れないし売りに出しても何年先に売れるかどうかもわからない」「それなら隣近所の人に多少安くてもいいので買い取ってもらったほうが得策ではないかと?」提案されました。

確かにそれは名案かもしれませんが、既に隣近所の人とは微妙な空気になっていたため、私はその提案を飲むことができませんでしたそして次に訪問した不動産屋が私たちの運命を切り開いてくれたのです

2件目の不動産屋さんは旗竿地を何度も扱ったことのある業者さんでした

その不動産屋の営業マンは、過去にも旗竿地を何件か扱ったことがあるという人で、顧客リストの中には「家を建てる以外の用途」で土地を探している人が何人もいるという話をしました。

詳しく話を聞くと、資材等を保管できる倉庫を立てる場所を探している人だったり、「趣味のための小さなガレージ」を建てたいと言う人がいるようでした。そして、多少割安な価格であれば旗竿地のように道路から土地に侵入する道幅が狭くても、特に問題ではないとのことでした。

 

というのも、軽トラックが通れる横幅であれば全く気にはしないと言う人達だったからです。

すぐに見学が入り最終的に5組が来てくれました

結局、私の旗竿地は2件目の不動産屋さんに売却を依頼することとなり、その直後に4組の方が見学に来られ、そのうち3件は土地のみで希望される人で、1組だけが家と土地とのセットで購入を希望されている方でした。(売れたのは5組目の人です。)

 

としては、自分の生まれ育った家ですので、例え築40年を超えていたとしても、使っていただける人の方が嬉しいと思っていました。ただし、妻は生まれ育った家ではないので、そういった感情は無く、少しでも高い値段の人に売ればいいじゃない?と冷静な判断をしていました。

売却依頼をしてから5ヶ月経った頃に、5組目の方が見学に来てくださり無事に売却となりました。その方は、地元で代々続く歯科医院をされている先生で、趣味のバイクのガレージにしたいということで購入をしてくれました。

更地売りが条件となり解体費用が発生!大型ダンプが入れず割高に

ただ、残念ながら家は壊してから「更地状態」で売却をしてほしいという条件だったので、やむをえず家の解体を175万円もかけて行いました。もしも竿部分の土地の横幅がもっと広ければ大型ダンプが入れたので130万円くらいで収まっていたという話です。

それでも売れた土地の値段は一般的な土地の坪単価と比較してもほぼ同額に近く、これには不動産屋さんも「かなりラッキー」だと言っていました。実際、私は近隣の土地相場を把握していましたが、思っていたよりもずっと良い値段で売れて大満足できました。

旗竿地だからと弱腰に売ればそれ幸いと値引きを求められていたかも

このように旗竿地というのはついついデメリットばかりに目が行きがちで、売却は難しいのでは・・・と弱気になってしまいがちですが、ちゃんとニーズに合った人に提供ができれば、決しておよび腰になることもなく、売却が成立するものだと実感しました。

 

この私の旗竿地を売却した体験が、どなたかの決断の後押し、もしくは何かしらのお役に立つことができれば幸いです。

(旗竿地売却の過去記事もどうぞ)→ 旗竿地の家や土地を高く売るための方法