昨年私の母と同居を始めました。母はずっと鹿児島の田舎に一人で生活していましたが、2年程前から少し様子がおかしく感じ、私たち夫婦の住む福岡へ引き取りました。
母は、75歳で私たち5人の兄弟を農家で育ててくれました。父は3年前に病気で他界してからは一人鹿児島暮らしで、父が亡くなるまでは、脳こうそくで倒れた父の世話を、一生懸命していました。
父が亡くなったショックから認知症になった母
父が亡くなりやっとゆっくり出来るようになったねと話していたのですが、父が居なくなった寂しさと生活の糧が無くなり、母に認知症の症状が出てきたのです。
気が付いたのは、父の遺品整理に私たち家族と、兄、姉夫婦で実家へ帰った日です。一周忌も終わり、兄弟で昔話をしていると母がおかしな事を話しだしました。
初めは気のせいかと思っていましたが、綺麗好きの母だったのに実家の部屋が散らかっていたので兄が母の様子がやはりおかしいと気が付き専門医を受診することにしたのです。
認知症認定と同時に要介護3という厳しい現実が!
やはり認知症の診断が下り要介護度3の判定でした。専門医からは「一人で暮らすことには不安がありますね。」と言われ、兄弟で母をどのようにケアするかを相談しました。
私の兄弟5人はすべて結婚しており、九州内に3人、東京と大阪に1人ずついます。鹿児島の実家で暮らせる家族はおらず、実家を売却し母を引き取る話まではスムーズだったのですが、誰がどのように引き取るとなるとなかなか決まらず時間がかかりました。
母の住んでいた家を売却してもらうことに!福岡にいながら鹿児島の家は無事に売れるのか?
東京と大阪の兄弟は、転勤族で難しいと。残った福岡にいる私と兄と姉家族で話を進めるしかありませんでしたので、施設を見てまわったり、主人に相談してみたりをしているなか、私の主人が「うちでお母さん看ようよ。」と言ってくれました。
これには他の兄弟たちも当然ながら大喜びしてくれました。
兄弟たちもよろしく頼むと、鹿児島の自宅の売却手続きやその売却で得るお金は、すべて私の管理で任せると一任してくれたので、知人の不動産屋さんに売却手続きをしました。
遠隔地の家を売るのは想像以上に大変でした
とりあえず鹿児島に一度向かい、現地で家の掃除をした後に「こんな状態じゃとても不動産屋さんを呼べないぞ・・・」と意気消沈しましたが、夫が「急に入院した人の家を売るとかよるあるんじゃないか?散らかったままの家を売るなんて別に珍しい話じゃないだろう。」と言った一言で割り切れるようになりました。
とりあえず簡単ながら一通りの掃除だけを済ませ、最低限必要と思われたスリッパだけを用意してからすぐに近所の不動産屋さんを何軒かハシゴし売却相談をしました。
いくつか相談した中で最初に声をかけたところの営業マンが感じがよかったので、早速、家の中を見てもらい売値を出してもらいました。
売り家に頻繁に掃除に通えない不安を簡単に解消できました
見積でつけてくれた売値は事前に想像できたくらいの金額で「想像通り」といったところですが、それよりも心配だったのは「売れるまでに何度も掃除をしなきゃいけないのかな?」ということでした。
このあたりも凄く丁寧に相談に乗ってくれて「近くに住んでなくて掃除をマメにできないなら地元の便利屋さんを利用すれば月に2回程度で1万円あれば大丈夫ですよ。」と教えてもらいました。
売り家は庭に落ち葉も積もる家だったので、庭掃除と家の中の掃除、そのついでに全部屋の空気の入れ替えもしてもらい、結局は月に2万円でお願いをすることにしました。
ちょっと高い気もしましたが、トイレや風呂場の水をその都度流してもらえることで、排水パイプからのニオイの逆流も防げるメリットもあったり、チラシなど不要な郵便物もダンボール箱に入れておいてもらえるということでとても助かりました。
売りに出してから5ヶ月後にやや値引きを求められつつも無事に売却成功
家を売りに出してから最初の1ヶ月で内覧が1件、2ヶ月目は0件、3ヶ月目と4ヶ月目にはそれぞれ2件、そして最後の5ヶ月目に内覧に来てくれてた1組目で売却が成立しました。
売値には1割ほどの値引きを求められましたが、もともと自分のお金で建てた家でないということと、この先に売れ残って値下げをするなら同じことだと判断して、その値引きを受けました。
母の家に残っていて家財などはほとんどを業者に依頼して処分してもらったので少し費用はかかりましたが、それでも700万円ほどのお金が手元に残ることとなりました。
不動産屋さんへの支払は、売買手数料が売値の約3%と、後は司法書士さんに所有権の移転登記などで5万円ほどがかかったくらいで、特に税金もかからずに思っていたよりも出費は少なかった印象です。
売れたお金で同居に適した家にバリアフリー工事などを行いました
私達はこの700万円を使って母と同居するための福岡の自宅をバリアフリー化のリフォームや、トイレを1つ増設したり風呂場を使いやすいものにするなど同居対策を施しました。
母の認知症もひどい時もありますが、主人や娘たちも手助けしてくれて乗り越えて行けています。
亡くなった父も喜んでくれていると思います。
何よりも親子が同居できることと、他の兄弟達からも感謝されていることが私も嬉しいです。