家や土地を相続する場合、多くの場合は親からの相続だと思いますが、なかには兄弟姉妹の間での相続もあると思います。
相続は揉め事の元なんですが、揉め事にならないようにしつつ、それでいてお得な処分方法があるので紹介してみたいと思います。
相続人はあなただけ?それとも何人もいる?
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もし、あなただけで相続をする場合には売却しようと保有しようとあなたの自由なのでゆっくりと決めることができますし、お金が欲しい場合にはすぐに売ることだってできます。
これがあなた以外にも兄弟姉妹が一緒に相続をする場合にはかなりの高確率で後のトラブルを引き起こしてしまうんです。
なので私のファイナンシャルプランナーとして今まで数多くの相続を見てきた経験から、現金化してしまい均等に分けてしまうのがベストだと思ってます。これだと後腐れがありませんし、後にあなたのお子さんなどにもトラブルが振りかかることを未然に防げるからです。
相続した不動産を複数の人数で分けるなら
まず現実的な話としまして、土地は複数の人数で簡単に分けることができますが、建物はそう簡単にはできません。
例えば、1Fを兄、2Fを弟が相続したとします。この場合、2Fを利用する人は1Fを必ず通らないといけませんよね。お互いに仲が良い場合ならそれで問題はないかもしれませんが現実はそんなものじゃありません。
相続人の周囲には奥さんや旦那さん、またはそのお子さんなどがいるため価値観が異なる人が沢山いて、こちらが当たり前だと思っている主張が通らないことはザラにあります。
具体的には
- 1Fに貴重品を置いておくのでできるだけ2Fの利用で家に出入りしてほしくない
- 2Fに上がるのが面倒なので交渉して1Fと交換してほしい
- 1Fを人に貸して賃貸収入が欲しい
- 1Fと2Fに分けて相続したものの、お金が欲しいから建物を売却したい
こんなふうに、お互いに考え方に違いが出てくるのは当たり前です。その際、お互いの意見が一致せずに仲が悪くなるということは多いんですよね。
相続で土地や家などの換金性の高い財産を手にいれた場合には、それぞれの懐具合の関係で売りたくなったり貸したくなったりすることも多くなります。そんな時「売りたくない!」という人とは話が平行線のままでまとまるはずがありません。
もし、相続した時点で良くても、いずれはお子さんなどにその関係を引き継いでいくことで問題を先送りしてしまうことにもなりかねません。
相続後に保有をし続けた場合のデメリット
- 税金がとにかく面倒
- 空き地の場合には草刈りに追われる
- 家の場合には利用の有無に関わらず価値がどんどん下がる
- 新たな相続が発生したら再び手続きに追われる
- 家には修繕費など出費もたくさんかかる
- 今なら売れるけど数年後には売れないリスクも
相続後の税金が面倒
まずは1の税金ですが、家を保有する場合には固定資産税がかかってきます。もし1人で保有する場合には毎年支払いをする義務も相続してしまうので、利用していない家などはお金を捨てているようなものです。
相続後の草刈りが大変
空き地の場合には年中草刈りに追われ、庭付きの家でも草刈りの手間がかかります。あなたがどうでも良いと思っていても、隣近所に家や畑などがある場合には自分の都合だけでは放置できません。
空き地には害虫が発生しやすくなりますし、草を1年以上放置するとすぐに木も生えてくるので草刈りではなんともならない悲惨な状態になります。こうならないためには、マメに草を引くか刈るしかありません。
相続後の家の価値がどんどん下がる
建築年数をもとに確実に価値の下落が続きます。後はそれにメンテナンスがちゃんとできているか?などを含めて売値の価値が決まります。
人が住んでいない家というのは湿気や空気の劣化などが原因で傷みが早くなるため、頻繁に空気の入れ替えをするなど、価値を少しでも維持しようとすると大きな手間がかかるようになります。
自分から子供などへ再び相続をするのが面倒
今回、一緒に相続をする兄弟が亡くなってしまった場合には、その時に再び残された親族で相続に関係した手続きや打ち合わせなどが必要となり、とにかく面倒です。
面倒なうえに、新しい相続人同士で意見が合わなかったり、無理なお願いをされる恐れもあります。とにかくリスクしかありません。
相続後の家の修繕費用が痛い
家はどれだけ新しい家でも修繕費は必ずかかります。修繕費と聞くと、雨漏りなどのトラブルを想像される方も多いかもしれませんが、何の問題が起きなくても塗装は避けられません。
10年に一度くらいは定期的な外壁塗装や屋根の塗装など足場を組んで大掛かりなメンテナンスをしてもらう必要があるんです。もし、今回相続予定の物件がここ最近に塗装をしてない場合には今すぐにでもしなきゃマズイ状態かもしれません。
分かりやすいのは白亜化と呼ばれるもので、外壁を手で触った際に、手に白っぽい粉状のものが付着すれば塗装しないといけない目安です。誰も住んでいない家であっても、メンテンナンスはやっておかないと外壁にヒビが入りそこからシロアリが入る被害や雨漏りの原因になるので無視できません。
相続した今なら売れるけど数年後は分からない
家が売れなくなるにはいくつかの理由があります。まずは、少子化の影響で家が余り始めているために、中古の家を売るのが日増しに難しくなっていることです。
当然、売り家が余り出せばどこの売り主さんも大幅な値引きを始めるため、今なら2000万円で売れる家が1500万円でも売れなくなる可能性があります。すでに、地方や住宅過多なエリアではこの現象が出始めています。
次に、住宅ローンにすんなり通る人が減ってきているということです。中古の家を買ってくれる人や、土地を購入してくれる人は住宅ローンを利用される方が多いです。
ところが、最近だと非正規雇用のケースが増えているため、住宅ローンが通らない人が増えているんです。これからも非正規雇用は増加するはずですから、ローンの利用が必要な1000万円以上の値段の不動産は今のうちに売ってしまうことをオススメします。
一緒に相続する人に売却の話を提案するならこんなふうに
もし一緒に相続をする人がいる場合には、いきなり「今のうちに売っておかない?」と提案をしてもすんなり聞き入れてもらえないかもしれません。それは「売る」ということが他人事のようで現実味がないからです!
そんな時は、具体的に「◯◯◯万円のお金になる」という証拠を見せてあげることですんなり受け入れてもらいやすくなります。「売値の見積りをもらってみたんだけど、今なら2000万円で売れるそうだよ!」と金額を一緒に伝えることが大切です。
さらに、「二人で分けてたら1000万円づつになるよ。」と伝えることも大切です。
そういった具体的な金額が分かれば、その方も家族を説得しやすくなりますし、何よりも「1000万円もあれば子供の学費に十分使えるな!」というように、相手の方は使い道を考えるようになってるはずです。
そのためにも、家がいくらで売れるのか?最高値の見積りを手に入れて売却のための下準備をされてみてはいかがでしょうか?